2005年09月03日
健康と環境に配慮した住設選び 第7話
★ 健康と環境に配慮した住設選び 第7話 ★
≪ F☆☆☆☆のことをもっと知ろう ≫
この週末だけの連載もそろそろ住設選びに話しを進めないと、
家づくり進行中の皆さんの住設選びに役立たなくなってしまいそ
うですね。(先週もそんな風に言ってましたが・・・)
すぐにでも各論に移りたいところなのですが、その前にどうして
も書いておかなきゃいけないことが・・・(石を投げないように!)
今日のコメント欄に少し書き込んでおきますので許して下さい。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
過去6話に渡り、人への健康被害はなにもホルムアルデヒドに
限ったことではなく、原因・症状ともさまざまであることをご紹介し
てきました。
毎年実施されている実態調査でも、最大の悪玉=ホルムアル
デヒドの濃度は確実に減少の方向にむかってはいるようです。
しかしです・・・ やはり現在でも悪玉、ホルムアルデヒドの扱いを
軽んじるわけには決していきません。
今日のお題は・・・
F☆☆☆☆のことをもっと知ろう
現在ほとんどのメーカーの住宅設備のカタログには『本製品は
F☆☆☆☆(フォースター)の材料を使用して製造されています』
と明記されています。
F☆☆☆☆とは合板類のホルムアルデヒド発散量に定められた
JAS規格(Japan Agricultural Standards Association/日本農林
規格)のことで、F☆〜からなる4種類の規格の中でホルムアルデ
ヒドの発散量が最も低く、改正基準法ではその使用面積に制限が
ない等級に該当します。
メーカーは、『法的には無制限に使ってもいいことになってる
から大丈夫』と言いたいのでしょう。
事実、メーカーに問い合わせると「F☆☆☆☆だから問題ない」と
言われるケースが多いという話しをよく聞きます。
そして 勉強熱心な家造りブロガーさん達の最近の合言葉は
「F☆☆☆☆だからって安心できない!」・・・
かくいう僕も他のかたのブログにそのようなコメントをしてしまい、
詳しい説明なし発言したことを後悔した記憶があります。
でもなんだか少し感情論のようになってしまっているのが気に
なっています。
このへんでちょっと話しを整理しておく必要があると思いました。
小難しいから気合入れて読み進めて下さいね(笑)
2003年に改正されたJAS規格、F☆☆☆☆(フォースター)とは〜
デシケーター法によるホルム放散量が平均0.3mg/L以下、
最大0.4mg/L以下のことです。
0.3mg/Lはppmで言い換えると0.3ppm・・・
(ppmは100万分の一を表す比率の単位のことです)
この手の話しにちょっと詳しい人なら「厚生労働省が定めた
ホルムアルデヒドの室内濃度指針値は0.08ppm」ということを
ご存知かと思います。
F☆☆☆☆ ⇒ 0.3ppm
室内濃度指針値 ⇒ 0.08ppm
『なにそれ? F☆☆☆☆はやっぱりダメだ!』
・・・・そうじゃないんです。
具体的にF☆〜を説明すると、50×150mmの試験片10枚とシャーレ
に入れた蒸留水300ccを、温度20℃でデシケーターと呼ぶガラス
容器(蒸留水)の中に密閉して待つこと24時間・・・。
そのとき水に溶け込んだホルムアルデヒドの量を測定するのが、
デシケーター法です。
この条件で1Lあたり何mg溶けているかを示す値がデシケータ値
で、F☆☆☆☆に認定されるには値が平均値で0.3mg/L以下、
最高値で0.4mg/L以下であることが必要とされます。
もともとホルムアルデヒドはとても水に溶けやすい性質をもった
VOCで、デシケーター法はこの性質を利用した測定法です。
(ちなみにその37%水溶液がホルマリンです。)
※話しはそれますが、この性質を応用して、室内に水を霧吹き
でサッと撒くと、一時的にですが空気中のホルムアルデヒド濃度
を一気に低減することができます。 その水分が蒸発すればまた
濃度は上がってゆきますが・・・
厚生労働省の指針値が実際の室内空間でのホルムアルデヒド
の濃度のことを言っているのに対し、JASのF☆☆☆☆は物質が
一定時間に放散するホルムアルデヒドの量、いわば速度を規定
しているわけですね。
少し難しく言うと『定常状態の濃度』と『放散速度』の違いです。
だから値は違って当然なんです。当たり前のようですが・・・
F☆☆☆☆は材料の規格。
そして改正建築基準法はあくまで使用する材料を制限するもの
決して室内の空気濃度を制限するものではないのです。
『そんなの意味ないじゃん』と思われるかもしれませんね・・・
長くなったので続きはまた明日来週・・・
↑すみません、つい書き間違いちゃいました!
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あとでちゃんとした記事になる内容の抜粋と思って下さい。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
すでにお話ししたように化学物質過敏症は自覚のない人も含め国民の10人に1人はいると言われています。
もしあなたやあなたの家族が自己診断の結果、予備軍の疑いがある場合、住宅設備を選ぶ際にも相応な配慮が必要となってきます。
選択の際の指針は実にシンプルです・・・
『なるべくVOC(揮発性有機化合物)を含まず
農薬系の処理(防腐・防カビ)をしていないものを選ぶ』
例えばキッチンの具体的な候補としては・・・
・ステンレスしか使っていない業務用製品
※プロ用の余計なものは一切付いてないシンプルなもの。
それだけに安心できる。 しかしまれに金属アレルギーの人も
いるので注意。疑いのある人はテストが必要かもしれない。
≪金属系≫
・ステンレスやアルミのフレームキッチン
※なるべくシンプルな構成にする。純粋に金属だけでできている
引き出しなどのオプション類が、もしあればよいのだが・・・
・ステンレスやホーローキャビネットキッチン
※見えない部分に裏打ちや補強材として合板類や樹脂類を使用。
その量は商品により異なるのでチェックすべし。
※キャビネットが金属製でも吊戸棚や食器棚キャビネット類が扉を
除いて一般的なパーティクルボードやMDFを使っているケースが
ほとんどなので注意する。
・表面がステンレスやアルミなどの金属を張り付けてあるもの
※これが一番微妙な判断となる。 高価な割には
一般的な木製キャビネットとたいして違わないと思う。
・無垢の木製キッチン
※大手メーカーが踏み込めない領域なのでベンダーの数は多い。
小さいキッチン屋さん、家具屋さん、などに頼んだり、場合によって
引き出し類を除き大工さんに造ってもらう方法もある。
基本的にはオーダーになるので、パーツごとに素材を吟味できる。
完全に無垢だと狂うので、一般的には集成材を使わないわけには
いかない。 気になるなら使う集製材をもらい枕元に置いて様子を
みるか、Oリングテストで身体が拒否しないかチェックする。
※天然の木からもホルムアルデヒドやVOCは発生している。
それどころかTVOC(VOCの総量)はかなりのものだ。
中〜強度の患者の場合は使用する樹種の吟味がかかせない。
使用できる樹種がない場合は金属系のものにするしかない。
※大手メーカーでもこの手の商品は多い。
キャビネットが一般的なものだから効果は半減するだろう。
集成材じたいは合板よりははるかに接着剤の量は少ないので
良いのだが、表面の塗料になにを使っているかは問題。
前述のオーダーキッチン屋でも、木製キッチンが売りであっても
実際には合板類を使用していて、結果的にはこれらと同じだと
いう場合もあるので注意する。
・キャビネットなどの「箱」
・カウンター材
・扉材
・引き出し類
・棚板類の取り外し可能なもの
・レンジフードやコンロ、食洗機機器などの機器類
で構成されているのでそれぞれ個別にチェックしたい。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
以上はあくまで健康への配慮を最優先にした場合の選択枝です。
しかし実際に選択する時ははバランスが大切です。
キッチンは単なる箱じゃありませんから、いくらVOCが出なくても
業務用じゃあ納得できない人がほとんどでしょう。
ですから・・・
・まずは自分を含めた家族の健康状態の診断
・新築かリフォームか(換気状況はどうなのか)
・機能的な面
・デザイン性の好み
・予算
・寸法、形状
などなどによってトータルで判断、選択していただきたいと思います。
今日のところはこのへんで。
週末だけの特別版だからというわけじゃないのです。
読みにくいのを我慢してもらえばカテゴリーのリンクから過去のバックナンバーはご覧いただけますし。
実はライブラリーを制作する段階でこの連載をリストに入れるかどうかはかなり悩んでやめた経緯があります。
せっかく色々な住設を検討して夢が広がってきているところへ、
この連載のようなある種怖い話しをして夢をしぼませてしまうのは不本意なので・・・
でも栗原さんがそうおっしゃるのなら・・・
もう一度考え直してみてもいいかもしれません。
他のかたのご意見なども、もしあれば、うかがいたいところです。
特番までこのような配慮がされたこと、大変うれしいです。
>せっかく色々な住設を検討して夢が広がってきているところへ・・・
そうでしょうか?
少なくともココに来る人たちは、家づくりを真剣に考えて
小さな情報でも逃すまいと勉強している方がほとんどだと思います。
確かにこのBLOGに来て「健康と環境に配慮・・・」の内容を読み、真の安全なものを探そうと思うと、ブラックホールに入ったような気持ちになるかもしれませんが、それでも知っていて進めて行くのとそうでないのとでは全然違うのではないかと思います。
長くなったので続きます・・・
また特に思うのは「偏っていない中立な情報」が提供されているということ。
「フォースターだから安心」とか、「絶対木やステンレスのキッチンじゃないと危ない!」という書き方でないということ。
今日の最後のコメント、「・・・ですから」以下は、施主の立場に立った助言で本当にありがたいです。
引き続きの連載、楽しみにしていますよ!
新しくなにかを始めたとき、経験上『3』の倍数の区切りで何らかの壁にぶつかることが多いものです。
3日、3週間、3ヶ月、6ヶ月・・・
当ブログもご多分にもれず、過去それぞれの節目に大いに頭を悩ましたものです。
正直、3ヶ月目には継続するか否かの判断を迫られたこともありました。
そしていま、ちょうど6ヶ月の節目にあたり、その存在意義をあらためて検討している最中です。
そんな状況で、熱いコメントをいただけるのは何よりの励み、栄養となります。たいへん有難うございました。
私もLaLaLaさんのコメントを読んでウンウンとうなずいていました。
ナベさんが「健康と環境に配慮した住設選び」を取り上げられたのも
私達(ここを見に来ている中でのほんの一部だったかもしれませんが)のニーズに答えてくれようとしたからだと思っているので私自身はとてもありがたいことだと思います。
それに住設メーカーを含め業界のほとんどの方々は「うちはF☆☆☆☆だから大丈夫です」という言葉で消費者を納得させていると思われるので、
ナベさんのように問題提議してくれる方は私にとってとても価値ある存在です。
そして体力の続く限りこのブログは続けて欲しいです。
でも無理はしすぎないでくださいね。
いつもながら励ましていただき感謝します。
今まで皆さんに問題提議していただいた事項に
当ブログならではの解説をしてきたつもりです。
ですから当ブログの存在価値は皆さんの問題提議によって高められているのだ思います。
とても有難いことで、これからも頼りにしております!
『それぞれのフィルター』・・・そのフレーズいただきです(笑)
情報がはたして中立かどうか、判断は皆さんにお任せしますが、本人はそのつもりです。
もしお気づきの点がありましたら厳しいご指摘も、ぜひお願いしたいと思います。
家づくりを真剣に考えている人のために・・・「がんが」ります!
